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カラスの親指




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カラスの親指 by rule of CROW’s thumb
「カラスの親指」道尾 秀介 (著)

“詐欺”を生業としている、したたかな中年二人組。
ある日突然、彼らの生活に一人の少女が舞い込んだ。
戸惑う二人。
やがて同居人はさらに増え、「他人同士」の奇妙な共同生活が始まった。

失くしてしまったものを取り戻すため、そして自らの過去と訣別するため、彼らが企てた大計画とは。

ふとしたことから借金をつくり闇金融と係わりをもつ詐欺師、タケ。
そのアパートへ転がり込んでくるカギやのテツさん。
ミステリーと思いきやハードボイルドでサスペンスな勢いで物語は走り出します。

カラス>玄人、親指>お父さん。
おもわせぶりなタイトル「カラスの親指」の意図するところは
会話のなかで何度か語られますが
読者は納得した気分でそのじつ まんまと何度も騙されます。

仕掛けが大きいので、映画を観ているように場面が二転三転し
深く考える間もなくどんどん物語に取り込まれ.....

いつのまにか作者の術にハマっていた自分を 妙なすがすがしさと透明感のあるラストのなかに見つけます。

読後の良い秀作のミステリーです。
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黒百合




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黒百合
「黒百合」多島 斗志之 (著)


「六甲山に小さな別荘があるんだ。
下の街とは気温が八度も違うから涼しく過ごせるよ。
きみと同い年のひとり息子がいるので、きっといい遊び相手になる。
一彦という名前だ」

父の古い友人である浅木さんに招かれた私は、別荘に到着した翌日、一彦とともに向かったヒョウタン池で「この池の精」と名乗る少女に出会う。
夏休みの宿題、ハイキング、次第に育まれる淡い恋、そして死―

一九五二年夏、六甲の避暑地でかけがえのない時間を過ごす少年たちを瑞々しい筆致で描き、文芸とミステリの融合を果たした傑作長編。


この作品は昭和27年の夏休みに父親の友人の別荘に招かれた主人公の14歳の少年が、そこで出会う一彦少年と香という少女と夏休みを過ごす3人の交流を描いた青春小説である。
また、その夏休みの出来事を描く章をはさんで、主人公と一彦の父親の青年時代や香の叔母の日登美の過去を描いた話が挿入される。

本に書いてあるあらすじだけを読むと、青春小説がメインでミステリ色は薄く感じるが、実際は読者の先入観を利用した叙述トリックが仕掛けてあり、最後の数ページで現在(昭和27年)の物語と過去の物語が結びつき、意外な真相が明らかになる。

読了した後で、改めて読み直すと作者がうまく読者を誤導するように書かれていて良く考えられた構成になっている。

普通に読んでいるとおそらく最後にだまされると思うので、これから読む人はよく注意して読んで、本格ミステリの面白さを堪能してもらいたい。
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山魔(やまんま)の如き嗤うもの




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山魔の如き嗤うもの (ミステリー・リーグ)
「山魔の如き嗤うもの」三津田 信三 (著)


忌み山で人目を避けるように暮らしていた一家が忽然と消えた。
「しろじぞうさま、のーぼる」一人目の犠牲者が出た。
「くろじぞうさま、さーぐる」二人目の犠牲者―。

村に残る「六地蔵様」の見立て殺人なのか、ならばどうして…「あかじぞうさま、こーもる」そして…。

六地蔵様にまつわる奇妙な童唄、消失と惨劇の忌み山。

そこで刀城言耶が「見た」ものとは…。

『首無の如き祟るもの』に続く渾身の書き下ろし長編。



<2009本格ミステリ・ベスト10>
第1位に輝いた作品です。

山魔を巡る怪異に彩られた雰囲気の中、 物語は幕を開けます。
さらに、山小屋からの一家消失、見立て殺人、 密室殺人、顔のない死体など、 謎解きの要素もふんだんに盛り込まれ、 読む者を飽きさせません。

「ホラーでありながらもミステリ的な 仕掛けにもこだわりをみせた 独特のストーリーテリングで注目を集める」
という作者紹介の言葉どおり、おどろおどろしい物語展開とミステリが見事に融合した作品となっています。

昔読んだ横溝正史の世界が 21世紀にリニューアルオープンしたように感じました。

特に、後半70ページの謎解き部分は、 二転、三転しながら、 それまでのいくつもの謎や怪異が 加速度的に解き明かされていき、 清々しさを感じてしまうほどでした。

「山魔の如き嗤うもの」にあなたも取り憑かれてみてください。
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ラットマン




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ラットマン
「ラットマン」道尾 秀介 (著)


結成14年のアマチュアロックバンドが練習中のスタジオで遭遇した不可解な事件。
浮かび上がるメンバーの過去と現在、そして未来。
亡くすということ。
失うということ。
胸に迫る鋭利なロマンティシズム。

注目の俊英・道尾秀介の、鮮烈なるマスターピース。


いきなり言ってしまいますが、この作品、私は作者のこれまでのところの最高傑作だと思います。

作者のストーリーテリングのうまさにはいつも舌を巻きます。
この作品も 例外ではありません。
それだけで一個のミニミステリを構成するような、 遊び心満載の導入部分。
それでまずがっちりとハートをわしづかみにされ、 あとは現在と過去を行きつ戻りつするミステリアスでサスペンスフルな展開にページを繰るのが止まらなくなります。

事件が起きるまでの前半部、ゆっくりじわじわと腹の下の方から不安と恐怖を掻き立てていく作者の 手腕も見事です。

やがて事件が起き、そこから物語のスピードが増し、心地よいリズムで 結末へとなだれ込んでいきます。
そして、すべての真相が明らかになった時、 私は愕然・驚嘆・呆然となりました。
こういう騙し方があったのかと。
だからラットマンなんだと。

スゴイのは、そのラットマンが二層にも三層にも仕掛けられていること。
事件の真相、物語の構図、過去と現在、登場人物と読者・・・。

他の作品にはまま見られた無理や破綻もこの作品には全くない上に 物語の面白さ、ミステリとしての仕掛けも申し分なく、 冒頭にも書いたように、これまでのところの作者の最高傑作といっていい仕上がりになっています。
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Tokyo blackout




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TOKYO BLACKOUT
「TOKYO BLACKOUT」福田 和代 (著)

8月24日午後4時、東都電力熊谷支社の鉄塔保守要員一名殺害。

午後7時、信濃幹線の鉄塔爆破。

午後9時、東北連系線の鉄塔にヘリが衝突、倒壊。

さらに鹿島火力発電所・新佐原間の鉄塔倒壊―

しかしこれは、真夏の東京が遭遇した悪夢の、まだ序章に過ぎなかった。

最後の希望が砕かれたとき、未曾有の大停電が首都を襲う!
目的達成のため暗躍する犯人たち、そして深刻なトラブルに必死に立ち向かう市井の人々の姿を鮮やかに描破した渾身の雄編。
大型新人が満を持して放つ超弩級のクライシス・ノヴェル。


現代のわれわれ日本人の暮らしにおいて、電気はライフラインの中でもっとも 重要でありながら、非常に緻密な計算と、人々の複合的な努力によって供給されている。
そこを狙ったテロが起きたとき、警察、電気会社、医者など社会を守る立場の男たちはどう動いたか……
未曾有の危機がリアルに描きだされます。

冒頭の電気の需要供給をめぐるトリビアが面白くて、ぐいぐい引き込まれるうち 物語が次々展開して、あっという間に読了してしまいました。

たぶん高村薫読者はとても楽しめるのではないでしょうか。
難を言えば、もう少し人間描写が濃いほうが個人的には好みでしたが、むしろ壮大なオペラのような背景を描くにはこちらのほうがよかったのかも。
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